- 2021年10月21日13:16:46更新
着物の景色に溶け込む秋のお洒落「歌舞伎へGO!大久保信子先生に聞く着物スタイル」
ー花魁の装いは夢を見るための世界のもの。私たちがまねするわけにはいきませんが、ここはひとつ、浦里の衣裳にちなんで、紅葉の文様を取り入れるのはどうでしょう。ちょうど、楓が色づき始めるころです。ー京都きもの市場にて、「きものと」必見コラム連載中!
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きもので行くなら
「きもので行くなら」というテーマにて、着物でお出掛けするのにぴったりな場所をコラムにてご紹介します。
きものの景色に溶け込む秋のおしゃれ 「歌舞伎へGO!大久保信子先生に聞く着物スタイル」
きものの暦では袷になりましたが、今年も単衣が手放せない暑い日が続きました。ようやく秋らしくなり、何を着ようか、どんなものと合わせようかと悩むのもまた楽しい季節です。
深まる秋、『赤坂大歌舞伎』(11月11~26日、18日は休演。TBS赤坂ACTシアター)を見に、芸能の街・赤坂へ参りましょう。
『赤坂大歌舞伎』は、2008年に十八代目中村勘三郎の発案で始まり、勘九郎・七之助兄弟が亡き父の思いを受け継いで公演を続けています。

提供:TBS
その中から、『廓噺山名屋浦里(さとのうわさやまなやうらざと)』のご紹介です。
原作は、笑福亭鶴瓶が2015年に高座にかけた新作落語『山名屋浦里』。そして、さらにその元になっているのが、タモリがテレビ局のメイク室で鶴瓶に語った、扇屋の花扇という花魁(おいらん)の実話なのだそうです。
落語を聞いた勘九郎が、ぜひ歌舞伎にということで、2016年の『八月納涼歌舞伎』で初演されました。
勘九郎演じる酒井宗十郎は、江戸御留守居役を命じられ、国元から江戸へ出てきたばかり。生来の生真面目さから、他藩の御留守居役たちとの交際が苦手で、「野暮天」だの「田舎者」だのと蔑(さげす)まれています。
あるとき、寄合で「江戸(吉原)でのなじみの女性」を紹介し合おうということになりますが、妻一筋の宗十郎は吉原に行ったことさえありません。宗十郎に恥をかかせようというイジワルなのです。
困った宗十郎は、江戸一の花魁、浦里(七之助)のいる山名屋をたずねます。花火の宵に、たまたま浦里を見かけ、心引かれていたのです。

衣裳の見どころといえば、なんといっても浦里の花魁姿です。
歌舞伎には多くの遊女が登場し、その艶やかな姿で観客の目を楽しませてくれます。
花魁の装いは夢を見るための世界のもの。私たちがまねするわけにはいきませんが、ここはひとつ、浦里の衣裳にちなんで、紅葉の文様を取り入れるのはどうでしょう。
ちょうど、楓が色づき始めるころです。
詳しい演目のご紹介とコーディネートの続きは、きものと公式サイトより!↓↓↓

きものスタイリスト 大久保信子
1976年に日本で初めて「きものスタイリスト」となる。
ハースト婦人画報社などの各雑誌、その他各種テレビ番組の著名人の着物のスタイリングおよび着付けに幅広く携わる。
日本舞踊の経験や、歌舞伎鑑賞を趣味としており、着物に関する奥行きの深い知識と美学を活かした著書も多数出版。

時田綾子
映画・テレビ文筆家。新聞全国紙の文化部で25年にわたってテレビ欄を担当。ドラマ、ドキュメンタリーの試写を見て読者を番組に誘ってきた。その端正な文章には定評がある。現在はフリーの文筆家として、ネット配信の大型の評論にも活躍の場を広げている。
この記事のライター
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