• 2022年6月29日16:03:19更新

かくも凄まじき芸の道 〜小説の中の着物〜 「徒然雨夜話ーつれづれ、あめのよばなしー」

ー小説を読んでいて、自然と脳裏にその映像が浮かぶような描写に触れると、登場人物がよりリアルな肉付きを持って存在し、生き生きと動き出す。今宵の一冊は『連舞・乱舞』。有吉佐和子さんの作品は、どれもこれも衣裳の描写が素晴らしく…絞り込むのが大変です。ー「きものと」にてコラム連載中!

着物をまなぶ

「着物をまなぶ」というテーマにて、着物に関する様々な《まなび》のコラムをお届けします。

かくも凄まじき芸の道 〜小説の中の着物〜 「徒然雨夜話ーつれづれ、あめのよばなしー」第十四夜

今宵の一冊は、有吉佐和子著『連舞・乱舞(つれまい・みだれまい)』。

“流水に梶の葉”を流派の紋とする、舞踊の一門、梶川流。
物語のそこかしこに、その文様が登場します。

冒頭に取り上げた一節は、後半の『乱舞』より。

『連舞』から続く物語の佳境、家元亡き後、流派に君臨する次期家元の座を狙い暗躍する面々を相手取り、自らが立つ覚悟を固めつつあった主人公の秋子が、ここぞという勝負どころで装うシーンです。

敵となるか味方となるかの正念場、探り合いつつ会話を交わす緊迫した席。
同席する権力者の夫人たちは、ひとりは白地に乱菊の総模様の平絽の訪問着、そしてもうひとりは、芭蕉布をさりげなく着こなし、しかし指には大粒のダイヤ…と活写されています。

今宵の一冊より、盛夏のコーディネートを…

作中で、冒頭のシーンが七夕の宵だとは直接言及されてはいませんが、当日でなくても数日前あたりの近いタイミングであったろうことは確かでしょうし、もしかしたら最初からこのシーンを、クライマックスに向けて雪崩落ちるように進んでいく最初の山場に据えるイメージが作者の頭の中にはあったのかもしれないな…なんて想像してしまいます。

小説をモチーフにした素敵なスタイリングのお話…
詳しくは、きものと公式サイトより!↓↓↓

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