• 2024年2月3日23:02:26更新

美しい手の引力 〜小説の中の着物〜 蜂谷涼『雪えくぼ』

小説を読んでいて、自然と脳裏にその映像が浮かぶような描写に触れると、登場人物がよりリアルな肉付きを持って存在し、生き生きと動き出す。今宵の一冊は、蜂谷涼著『雪えくぼ』。じわじわと身を蝕む逃れられない麻薬のような恋を、仕掛ける男と溺れていく女…。

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美しい手の引力 〜小説の中の着物〜 蜂谷涼『雪えくぼ』「徒然雨夜話ーつれづれ、あめのよばなしー」第三十三夜

今宵の一冊は、蜂谷涼著『雪えくぼ』。

時代は明治後期、日清(明治27年)日露(明治37年)戦争前後。

第1話「かわうそ二匹」の主人公は、北海道の小さな港町五勝手の診療所で女医として奮闘するいち子。流れものの年下の男との関係を、ずるずると断ち切れないでいるうちに……

第2話「藤かずら」の舞台は会津。嫁して間もないうちに日露戦争において夫を亡くした後、婚家で因習と理不尽な思惑に取り巻かれ息苦しい日々に耐えるりつと、そこに訪れた戦死した夫の戦友を名乗る男。

そして抜粋した冒頭部分は、第3話「抱え咲き」より。

東京木挽町に店を構える老舗呉服屋の養女となり、義父母から惜しみない愛情を注がれ裕福な暮らしを送りながらも心に闇を抱えるすずは、すんなりと長くしなやかな手を持つ歌舞伎役者の千吉に溺れていく。美しく驕慢で、そして哀しいほど愚かなすずの姿が描かれます。

小説を読んでいて、自然と脳裏にその映像が浮かぶような描写に触れると、登場人物がよりリアルな肉付きを持って存在し、生き生きと動き出す。今宵の一冊は、蜂谷涼著『雪えくぼ』。

じわじわと身を蝕む逃れられない麻薬のような恋を、仕掛ける男と溺れていく女。

どちらもが底知れない闇を抱え、頭で、理性でわかっていてもどうにもならないーそれは、“業”としか言いようのないものなのかもしれません…。

小説をモチーフにした素敵なスタイリングのお話…
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