- 2023年3月2日18:08:14更新
滅びの夢の、その先の 〜小説の中の着物〜 久世光彦『雛の家』
小説を読んでいて、自然と脳裏にその映像が浮かぶような描写に触れると、登場人物がよりリアルな肉付きを持って存在し、生き生きと動き出す。
今宵の一冊は、久世光彦著『雛の家』。
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着物をまなぶ
「着物をまなぶ」というテーマにて、着物に関する様々な《まなび》のコラムをお届けします。
滅びの夢の、その先の 〜小説の中の着物〜 久世光彦『雛の家』「徒然雨夜話ーつれづれ、あめのよばなしー」第二十二夜
今宵の一冊は、久世光彦著『雛の家』。
昭和14年。ひたひたと確実に忍び寄る戦争の足音を聞きながら、それでもまだ、わずかに凪いでいた時代。
昭和初期の終わり、第二次世界大戦直前の日本橋の老舗人形屋《津の国屋》の、美しい三姉妹をめぐる物語です。
ゆり子の紫、真琴の散り際の花の風情(作中では桃ですが)、菊乃の蝶。
それぞれを象徴するような色やモチーフを集めて、ひと揃いに。
藤紫の地に、艶やかに咲き誇り舞い散る紅白の桜が描かれた訪問着に、たおやかな蝶が織り出された綴れの帯を合わせて。
白との対比で、透明感のある紫が際立つワントーンコーディネートです。
可愛らしくなりがちな蝶モチーフも、モダンなシルエットと抑えた色遣いのこんな雰囲気なら、大人の女性にも似合いそう…
小説をモチーフにした素敵なスタイリングのお話…
詳しくは、きものと公式サイトより!↓↓↓
着物スタイリスト 秋月洋子
2003年にフリーランスのきものスタイリスト・もの書きとして独立後、雑誌や書籍でのスタイリングと記事執筆のほか、テレビドラマ、CM、映画等でのスタイリング、着付を手がける。着物まわりの小物ブランド『れん』、オリジナルデザインの帯留『九九』など商品プロデュースの他、書家としての側面も持ち自筆の着物や帯のデザインも手掛けている。
著書に『大人のおでかけゆかたコーディネート帖』、『おでかけ着物歳時記』(小学館)、『大人のゆかたスタイルブック』(講談社)などがある。
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