• 2021年11月28日12:18:42更新

日本舞踊家でTikToker?!睦静紀さんに聞く、自分の道を生きる方法

TikTokやInstagramなどを駆使し、日本舞踊を世界に発信している日本舞踊家、若柳流睦会師範の睦静紀さん。閉鎖的なイメージのある日本舞踊界で幅広く活動されています。独自のルートを歩んでこられた彼女の内側に迫るべく、神戸市内のお稽古場にてインタビューさせていただきました。

TikTokやInstagramなどを駆使し、日本舞踊を『現代に響くアート・エンターテインメント』として世界に発信している女性をご存じですか?

今回ご紹介したいのは、日本舞踊教室を開きながらもアート作品に挑戦するなど、幅広く活動されている日本舞踊家でKIMONOBIJIN公式ライターの睦静紀さん。

閉鎖的なイメージのある日本舞踊界では異色の存在です。独自のルートを歩んでこられた彼女の内側に迫るべく、夏盛りの某日、神戸市内の稽古場にてインタビューさせていただきました。

【プロフィール】日本舞踊家 若柳流睦会師範 睦静紀(むつみしずき)

舞踊家としてだけでなく、振付や舞台の企画・演出・スタイリングなども手がける。日本髪・着物モデルとして写真や映像作品へも参加し、時代を超えて美くしいと感じられる作品作りを目標に取り組んでいる。

インタビュー

日本舞踊を始めたきっかけは何ですか?

睦静紀『母が日本舞踊を習っていて、私がおなかの中にいるときもお稽古に通っていました。二歳何か月の頃に「あんたもお稽古するか」と聞かれて、私は「する」と答えたらしいです。そこからずっと通い、舞台に立ってきました。』

現在のような活動に至った経緯を教えてください。

睦静紀『メジャーな習い事ではないので、日本舞踊で食べていけるとは当初全く思っていなかったんです。なので大学も芸術系に行ったわけではなく、一般企業に就職しました。OL時代もずっと趣味で日本舞踊を続けていましたが、いろいろなSNSがでて普及しはじめた頃に、「着物や踊りの写真を投稿してみたら」と周囲に言っていただんです。それをキッカケに、趣味で写真を撮っている人と出会い、日舞の動きを取り入れた作品撮りをするようになりました。写真をきっかけに、踊りも見たいと言ってくれる人が増えたので、古典はもちろん、現代の曲で創作してみようと考え、創作してはSNSを活用して動画を公開。そうしていくうちに、いろいろとお声がかかり、イベントや海外でもパフォーマンスをさせていただくようになり段々有給が足りなくなってきてしまいました。

そして師匠からは「そろそろ教えるのも初めてみたら?」と提案をいただいたので、作品の発表や教えることを通して日本舞踊でギャラをいただける機会が増えていきました。ちょうどそのころ契約社員から正社員への切り替わるタイミングで、会社員を続けるか踊りで食べていくか迷ったのですが、会社員を60歳までやるのはゾッとするなと思っちゃったんですよね。妊娠のためにお休みしますというお弟子さんが「落ち着いたら絶対またやりたいです。」って言って下さって、私は「あ、もうそんなんいくらでも待つから!」と返事をしたのですが、踊りなら「何年でもウェルカム…。師匠のように80歳までもやりたい!」という想いが膨らみ、会社員を辞めて日本舞踊の道を選ぶことにしました。

日舞やお茶・お花などのお稽古は、昔とは違って習う人が減っているので、最初はやはり日本舞踊だけで食べていけるとは思ってなかったんです。しかし今はSNSがあって個人で広く発信ができるようになってきたので、気軽な気持ちで始めてみました。実際、教室に来てくれている生徒さんはSNSで知ってくださった方が多いです。』

SNSについて

静紀さんといえばやはりYouTube・tiktok・Instagramなどフル活用されクリエイティブな発信が目を引きます。TikTokの動画は60万回再生越えのものも。

睦静紀『やっぱり作品撮りが出来るのも、ヘアメイクとか、写真を撮ってくれる人がいるからこそ。自分だけでは絶対できないし、自撮りの写真だけだったらあそこまでいろんな人に見てもらえてなかったとは思うんです。そういう人たちと出会ったのは、SNSがきっかけ。そして作品を出したら「よかったら今度私とも一緒にやりましょう」みたいなのが、色々増えていきました。

私はフリーの活動家なので、本当は自分でいろいろ営業しないといけないんですけど、SNSや、検索エンジンを通してホームページから連絡をいただくことがちょくちょくあります。なのでSNSの種類も今は沢山ありますが、新しいのができたらとりあえず顔出してみようかなという感じで、いろいろトライしています。』

日本舞踊のすゝめ

この記事を見てくださる方の多くが着物に興味のある方や日本文化が好きな方だと思うのですが、日本舞踊を習って良かったことやおすすめの理由を教えてください!

睦静紀『まず、着物が着られる機会が多くなります。また、勇ましい男の子や、舞妓さん、芸者さん、お姫様など色んな役柄の人になりきるので、着物も色んな着方ができることが魅力ですね。お芝居ができる楽しさもあります。色んな役柄を演じることを通して「勇ましい・はんなり・お転婆・やわらかい」など色んな動きができるようになるので、普段の着物での立ち居振る舞いが自然と綺麗になります。』

新しいことに挑戦したいと思っている、けど踏み出せない人へ

新しいことに挑戦されつづけている静紀さん、何か始めたいけれど踏み出せない方へ、ぜひ一歩踏み出す勇気が出るようなメッセージをお願いします!

睦静紀『正解はないので、何を選んでも自分が納得できればいいかなと思います。私の場合は、人生の残り時間を何に懸けたいかというのはすごく考えたので、お金の不安は正直あったけれど、時間とお金だったら時間は取り返せないから日本舞踊を選びました。
 
多分迷うときは、自分の中で答えはもうわかってるんですけど、後押しが欲しいだけだと思うんです。そういう時は私、占いとかやるんですけど、占い聞きながらも、もう答えは自分の中で決まっている。だからその時何言われたかは全然覚えていないんです(笑)。
 
だから、なんとかなる。それだけ思うことだったら、なんとかなっていく。まあ今、私もなんとかなってるんだか…っていう感じですけどね(笑)。』

編集後記

人生で何を大切にしたいのか、自問自答の末に心ときめくほうの道を選んだ静紀さんを見ていていると、自分の心に素直に従うことの尊さを感じました。

安定が保証されないのはもちろん不安。でも何が起こるかわからないから、やってみたら自分次第でワクワクするような機会に巡り合える!人生の選択において大切なことを教えていただきました。

また印象的だったのは、SNSで出会った人がキッカケで世界が広がったという実体験です。SNSで出会う方法はトラブルも多いのは事実なので十分注意が必要ですが、使い方次第で、静紀さんのように人生を変えるステキな出会いもたくさんあるようです。

みなさんもいろいろなSNSやKIMONOBIJINで発信して、新しい世界をのぞいてみては?

睦静紀さんのSNSをチェック!

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