- 2021年9月23日18:11:55更新
恋する女性は黄八丈がお好き? 「歌舞伎へGO!大久保信子先生に聞く着物スタイル」
ー黒繻子の衿を掛けた黄八丈の振袖姿は、裕福な町方のお嬢さんらしい装いです。黄八丈は江戸の娘たちの憧れでした。ではなぜ、黄八丈は人気になったのでしょう?恋のために身を滅ぼす女性の情熱は黄八丈に託され、娘たちの恋心をかき立てたのかもしれません。ー京都きもの市場にて、「きものと」必見コラム連載中!
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きもので行くなら
「きもので行くなら」というテーマにて、着物でお出掛けするのにぴったりな場所をコラムにてご紹介します。
恋する女性は黄八丈がお好き? 「歌舞伎へGO!大久保信子先生に聞く着物スタイル」
暑かったり大雨が降ったりの夏でしたが、夜は虫の音が涼しさを運んでくるようになりました。
10月の歌舞伎座は、「笑い」と「しゃれっけ」のある演目がそろったようです。
「十月大歌舞伎」(10月2~27日、7・19日は休演)から第三部の『松竹梅湯島掛額(しょうちくばいゆしまのかけがく)』をご紹介しましょう。

提供:松竹株式会社
『松竹梅湯島掛額』は、前半が歌舞伎ではちょっと珍しいドタバタの喜劇、後半はがらりと異なる娘の恋心を描く舞踊劇です。
前半の「吉祥院お土砂の場」では、寺小姓の吉三郎(中村隼人)に恋する八百屋お七(尾上右近)、それを応援する紅屋長兵衛(べんちょう=尾上菊五郎)が活躍します。
後半「四ツ木戸火の見櫓の場」では、吉三郎の危難を救うため、お七が火の見櫓(やぐら)に上って太鼓を打つのですが、お七の人形ぶりが見どころとなります。

黒繻子の衿を掛けた黄八丈の振袖姿は、渋さの中にも華やかさがあり、裕福な町方のお嬢さんらしい装いです。
黄八丈は幕府へ上納されるような高級品でもあり、江戸の娘たちの憧れでした。
ではなぜ、黄八丈は人気になったのでしょう?
恋のために身を滅ぼす女性の情熱は黄八丈に託され、娘たちの恋心をかき立てたのかもしれません。
詳しい演目のご紹介とコーディネートの続きは、きものと公式サイトより!↓↓↓

きものスタイリスト 大久保信子
1976年に日本で初めて「きものスタイリスト」となる。
ハースト婦人画報社などの各雑誌、その他各種テレビ番組の著名人の着物のスタイリングおよび着付けに幅広く携わる。
日本舞踊の経験や、歌舞伎鑑賞を趣味としており、着物に関する奥行きの深い知識と美学を活かした著書も多数出版。

時田綾子
映画・テレビ文筆家。新聞全国紙の文化部で25年にわたってテレビ欄を担当。ドラマ、ドキュメンタリーの試写を見て読者を番組に誘ってきた。その端正な文章には定評がある。現在はフリーの文筆家として、ネット配信の大型の評論にも活躍の場を広げている。
この記事のライター
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