• 2020年12月10日13:29:02更新

【着物動画つき】世界213カ国の着物完成!5カ国の大使館にインタビューしました!

KIMONO PROJECTは東京五輪に参加予定の世界全213の国と地域の文化や歴史、自然をモチーフにした着物と帯を完成させました。今回、アフリカ大陸4カ国(リビア・ガーナ共和国・コートジボワール共和国・マラウイ共和国)とヨーロッパ大陸1カ国(モルドバ共和国)の在日大使館インタビューをお届け。

インタビュー

2014年にスタートし6年の歳月を経た2020年7月、ついに世界全213カ国・地域をモチーフにしたキモノプロジェクトのKIMONO(着物+帯)が完成。

東京2020オリンピック・パラリンピックは残念ながら延期となりましたが、2020年10月、京都市京セラ美術館にて特別展覧会「2020着物に世界を映す」が開催され全213の着物と帯が展示されました。

KIMONO BIJINは2日間に渡り取材させていただきました。

今回はアフリカ大陸4カ国(リビア・ガーナ共和国・コートジボワール共和国・マラウイ共和国)とヨーロッパ大陸1カ国(モルドバ共和国)、計5カ国の在日大使館からイベントに訪れた代表者さまのインタビューをお届け。

プロジェクトについて、着物について、国について・・・興味深いお話をたくさん聞けました♪

ユニークな民族衣装にもご注目♡

リビア

出典:https://www.library.metro.tokyo.lg.jp/search/research_guide/olympic_paralympic/area_studies/index/libya/index.html

在日リビア大使館
アメッド M.R. ナイリ臨時代理大使 

リビアの着物制作はいつ頃から始まりましたか?

約3年前にこのプロジェクトのお話しがありました。

プロジェクトの話を聞いた時、どう思いましたか?

もう素晴らしい。僕は今リビアの臨時大使ですけど、昔は日本の留学生でした。博士課程は明治大学で、マスター修士は、石川県の金沢大学。偶然にもリビアの着物は石川県で作ることになりましたから、すごく喜びましたよ。制作前に、石川県の作家さんのところまで訪れたんです。リビアに関する本とか、リビアのあらゆる情報を持っていきました。一緒にいろいろ見ながらお話しをし、素晴らしい着物ご制作いただきました。

出来上がった着物をみてどうですか?

例えば、これね、オリーブ。平和の象徴です。そしてこれは砂漠の色。あと、これは砂漠の中の湖。こちらはザクロと桜が混ざっていて、日本とリビアの2つの文化の融合を表わします。大変素晴らしいですね。

一番気に入っているポイントは?

全部!どこを見ても素晴らしい。リビアの外務大臣も着物を拝見して、とても喜んでいました。

ガーナ共和国

出典:https://www.library.metro.tokyo.lg.jp/search/research_guide/olympic_paralympic/area_studies/index/ghana/index.html

在日ガーナ大使館
アビゲイル・クワシ公使 (左)

プロジェクトについてどう思いますか?

素晴らしいアイディアだと思います。各国の大切な要素、シンボルを日本伝統の着物に表現している点はとてもユニークで、集めた寄付金で約1年もの歳月をかけ美しい作品に作り上げているんですから、すごいことだと思います。

完成した作品はいかがでしたか?

カカオの花や実、海など、ガーナにとって大切なもの全てが描かれています。

帯は表裏デザインが異なっているんですよ。一方はガーナの伝統織物「ケンテ」を表わし、一方には赤・金・緑・黒の国旗のカラーを取り入れたデザインになっています。

着物に描かれているこの城は、奴隷の城。アメリカに送り出される奴隷の貿易拠点となった城です。
カカオは伝統的な商品作物で、ガーナチョコレートの原産。最高のカカオはガーナでとれるの!カカオの木はガーナを象徴する最も重要なものよ。

国旗のカラーについてですが、黄色は実は本来ゴールドなんです。黄色ではないんです。国家独立前、ガーナは『ゴールドコースト』と呼ばれていたほど、ガーナには金がたくさんあり豊かな資源を表わしています。

そして、国旗の緑は、ガーナの豊かな森林、赤は独立のために戦った人々の血を表わします。黒い星は、1957年にサハラ以南のアフリカで、第二次世界大戦後初めて植民地支配から独立した代表的な国であり、自由を表わします。このように、国旗に含まれるそれぞれの色には意味があって、私たちにとって非常に重要なのです。

こちらの波模様は、海を表現しています。日本の琳派画を取り入れた面白い作品ですね。
きっとガーナの人々もこのデザインを気に入ると思うわ。

コートジボワール

出典:https://www.library.metro.tokyo.lg.jp/search/research_guide/olympic_paralympic/area_studies/index/cote_divoire/index.html

在日コートジボワール共和国大使館
ジェローム クロー ウェヤ大使

プロジェクトについてどうお感じになられましたか?

とても素敵なプロジェクトだと思います。「世界はきっと、一つになれる」というアイディアは素晴らしいですね。

出来上がった作品はどうですか?

とても満足しています。団体はもちろん、日本人の素晴らしい貢献ですね。

国民のみなさんも喜んでいただけそうでしょうか?

ココアやココナッツといった国の重要な文化・要素が着物に描かれています。国民も気に入るでしょう。あらゆる面のコートジボワールを象徴したデザインになっていますからね。

マラウイ

出典:https://www.library.metro.tokyo.lg.jp/search/research_guide/olympic_paralympic/area_studies/index/malawi/index.html

在日マラウイ共和国大使館
ベントレーナマサス副大使/公使 (右)

プロジェクトについて、どうお感じになられましたか?

とても素晴らしい。約2年前、着物プロジェクトについて協議するため2名のご担当者が私のオフィスに訪れました。当時、こんな素晴らしい着物が出来上がるなんて想像もしていませんでしたよ。壮大なプロジェクトですね。

出来上がった着物、いかがですか?

素晴らしい作品です。クリエイティブで、私たちの文化や重要な要素をしっかり捉えていますし、とても美しい。私が最も気に入っているポイントは、魚が泳いでいる湖です。アフリカの中でも最も綺麗で大きな湖です。様々な種類の魚が生息しています。豊かな自然が魅力です。

日本にメッセージをください!

大きな市場であったオリンピックが延期になったのはマラウイにとっても大変残念ですが、国民に作品を見せられる機会を楽しみにしています。そして是非みなさんがいつかマラウイを訪れ、その魅力を肌で感じていただければ嬉しいです。マラウイは、”アフリカの温かい心”と呼ばれるほど、人々はフレンドリーで温かく、とても平和な国です。みなさんを歓迎します。

モルドバ共和国

出典:https://www.library.metro.tokyo.lg.jp/search/research_guide/olympic_paralympic/area_studies/index/moldova/index.html

在日モルドバ共和国大使館
アウグスティン・ザプリフ三等書記官

プロジェクトについて、どうお感じになられましたか?

とてもワクワクするアイデアです。全て日本で生産されたKIMONOに、各国を象徴するものや文化的アイデンティティを紹介することは、素晴らしい取り組みだと思います。とても歓迎されたプロジェクトでした。

どのように制作を進めてきましたか?

2018年にお話があってから私たちがまずしたことは、それを私たちの国の機関や美術学校に情報を広めることでした。制作するにあたり、創造力を高め、様々な意見をプロジェクトに取り入れることができるように取り組んだのです。ユニークなプロジェクトでしたので、多くのアーティストが志願し、アイディアを収集することができました。そして主催団体とコミュニケーションを重ねたことにより、一つの素晴らしいデザインを完成させることができました。この着物は、私たちが誇りに思う、モルドバにとっても大きな功績だと思います。

完成された着物をみて、どうお感じになられましたか?

私たちの国の最も代表的なシンボルがしっかり表現されていると思います。
例えば、ブドウ。ワインの生産国としても有名で、私たちが世界に輸出しようとしている製品の1つであり、主要な輸出品です。ワインの川は、それだけ歴史的に長く、多くのワインを生産しているということを意味しています。
そして、私たちのアイデンティティの一部でもある教会が描かれています。
このプロジェクトは文化を紹介する良い機会です。より多くの日本の方々がモルドバのワインに興味を持ってくれることを願います。きっと好きになるはずですよ。

お気に入りのポイントを教えてください。

舞い上がる鳥ですね。私たちの国のもう一つのシンボルです。 この大きな白い鳥の巣がブドウ果樹園の周りにあるんですよ。

いい機会になりましたか?

これは各国の文化の象徴的なシンボルを表現する着物の高品質な繊維技術を紹介することでもありますね。日本の先進的な繊維産業や文化を発信している。だからこれは2つの文化が合わさった作品です。作品自体を見ると、それはモルドバの文化を象徴するデザインになっていますが、着物自体は、日本文化の代表的なシンボル。各国それぞれ独自の特徴や違いがたくさんありますが、同じ条件で着物に表現しています。このプロジェクトは、モルドバを含む世界212か国・地域と日本、それぞれ2つの文化が出会い、真に1つに繋がる良い機会でした。まさに文化の融合ですよね。

自国のシンボルが描かれていることが国民のみなさんも理解できそうですか?

世界中の人々が自国の着物をみたら、すぐに理解しきっと楽しめると思います。着物自体はモルドバでも高く評価されていますが、自国を象徴するデザインの着物ができたといったら、もうそれは喜ばしいことですよ。作品自体も非常に美しいですが、各国のシンボルを着物に映すというアイディアはとても素晴らしいと思います。

最後にメッセージをください!

このイベントを開催し、日本文化とモルドバ文化を近づける機会を与えてくださったことに深く感謝いたします。おそらくこれまでにない画期的な方法でした。東ヨーロッパと日本はもはや隣国だとも言えるでしょう。このような文化交流を通じて、私たちはより親密になれると確信しています。本当にありがとうございました。

動画で世界一周!213カ国分の着物・帯をチェック

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