- 2023年11月3日22:15:23更新
“かたい”着物で護るものは 〜小説の中の着物〜 立原正秋『舞の家』
小説を読んでいて、自然と脳裏にその映像が浮かぶような描写に触れると、登場人物がよりリアルな肉付きを持って存在し動き出す。今宵の一冊は、立原正秋著『舞の家』。
さまざまな感情の揺れを、包み込み護る“堅い”着物ー紬ー。
一瞬の激情や迷いに流されないために、その身に紬を纏うのかもしれません。自らを鎧うように。
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着物をまなぶ
「着物をまなぶ」というテーマにて、着物に関する様々な《まなび》のコラムをお届けします。
“かたい”着物で護るものは 〜小説の中の着物〜 立原正秋『舞の家』「徒然雨夜話ーつれづれ、あめのよばなしー」第三十夜
今宵の一冊は、立原正秋著『舞の家』。
能楽の宗家である室町家の三姉妹の長女綾と、夫である道明。
流派を継ぐ使命の重みを生まれながらに背負う綾と、その夫となり宗家の長として立ちながら、自らの能楽師としての限界を感じ、そこから逃れようと足掻く道明。
そんなふたりを取り巻く、複雑に入り乱れる人間関係が描かれた物語です。
手紡ぎの糸を用い、居座り機によって織り上げられた本場結城紬。
軽やかでほっこりとあたたかく、目の詰んだその風合いは着込むほどにしなやかさを増します。最初は寝巻きにしろだとか、仕立て下ろしは女中に着せてこなれさせてから主人が着た、などと言われるほど。
小説を読んでいて、自然と脳裏にその映像が浮かぶような描写に触れると、登場人物がよりリアルな肉付きを持って存在し、生き生きと動き出す。
さまざまな感情の揺れを、包み込み護る“堅い”着物ー紬ー。
もしかしたら、一瞬の激情や迷いに流されないために、その身に紬を纏うのかもしれません。
自らを鎧うように…
小説をモチーフにした素敵なスタイリングのお話…
詳しくは、きものと公式サイトより!↓↓↓
着物スタイリスト 秋月洋子
2003年にフリーランスのきものスタイリスト・もの書きとして独立後、雑誌や書籍でのスタイリングと記事執筆のほか、テレビドラマ、CM、映画等でのスタイリング、着付を手がける。着物まわりの小物ブランド『れん』、オリジナルデザインの帯留『九九』など商品プロデュースの他、書家としての側面も持ち自筆の着物や帯のデザインも手掛けている。
著書に『大人のおでかけゆかたコーディネート帖』、『おでかけ着物歳時記』(小学館)、『大人のゆかたスタイルブック』(講談社)などがある。
この記事のライター
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