【清代木版年画と浮世絵~日中版画の華麗なるコラボ~】
中国の貴重な清代木版年画26点、日本が世界に誇る浮世絵52点、計78点の日中版画を無料公開する特別な展覧会となります。
日中友好会館は、日中国交正常化実現が今年9月に50周年を迎えることを記念して、2022年9月23日(金)から11月20日(日)(毎週月曜日は休館日)まで、日中国交正常化50周年記念展PartⅢ「~珠璧交輝~ 清代木版年画+UKIYO-E」(※)を日中友好会館美術館にて開催します。
(※)珠璧交輝(しゅへきこうき)は中国の四字熟語。真珠と玉璧が交わり輝く、つまり、優れた両者が互いを引き立たせ合う意味です。
浮世絵が庶民間で流行した日本の江戸時代、華やかな文化が花開いた中国の清の時代。同時代に発展を遂げた日中の木版画が一堂に会する展覧会は、前例の無い特別な企画となります。
中国では日本よりも先駆けて多色刷りの版画技法が確立されており、中でも版画の主要産地であった江蘇省蘇州から姑蘇版とよばれる版画が長崎を経由して日本に多く伝わりました。こうした、中国の優れた版画を通じて、日本の浮世絵は風俗画や西洋の遠近法などを吸収し、独自の進化を遂げました。
互いに庶民の生活を写した、日本の浮世絵と中国の清代木版年画を比較すると、両者には“共通点”もあり、それぞれの国民性を色濃く反映した“特色”も見受けられます。これらの“共通点”、“特色”を、日中版画の夢の共演の中で探し出し、芸術の秋を堪能してみてませんか?
〈本展の公式ホームページURL〉
https://jcfcmuseum.jp/events/event/2022-19/
■■本展のハイライト■■
日本の江戸時代と中国の清時代...本展では、同時代に発展した木版画を「人物」「芝居」「風景・遊楽」の3つの共通テーマに沿って掘り下げていきます。本記事では、その一部をご紹介します。
〈清代木版年画〉
年画の主要産地である天津市楊柳青、江蘇省桃花塢、山東省濰坊、山東省平度、四川省綿竹、河北省武強から全26点。
〈浮世絵〉
鈴木春信、東洲斎写楽、葛飾北斎、歌川国芳、鳥居清長をはじめ錚々たる絵師17名の全52点。
*作品保護のため、浮世絵は、前期と後期で全作品展示替え(各期ごとに26点ずつ展示)を行います。
第一章「人物」
川崎・砂子の里資料館蔵「相馬の古内裏」歌川国芳・弘化2-3年頃(前期展示作品)【PR写真1枚目】
下総国相馬に妖怪が住むという古い内裏跡がありました。大宅太郎光国(おおやのたろうみつくに)が訪れると、目前に数百の骸骨が現れて敵味方となって戦いはじめます。妖怪は、平将門の娘・滝夜叉姫の妖術に操られたものでした。この版画は山東京伝作『善知安方忠義伝』(うとうやすかたちゅうぎでん)(文化3年・1806刊)を典拠としていますが、数百の骸骨は、作者の国芳によって大きな一体の骸骨に置き換えられています。
第二章「芝居」
中国美術館蔵「空城計」山東平度・清代 【PR写真2枚目】
「三国志演義」の一場面を描いたものです。司馬懿が西城に向かって進軍しているにも関わらず、西城の幕舎には精鋭部隊がいませんでした。この危機的状況を前に諸葛孔明は空城の計で、城門を全開にし、自ら城門の上の望楼に座り、酒を飲みながら琴を奏でました。これを見た司馬懿はいぶかしく思い、兵を引き戻したため、西城の危機は回避されました。
第三章「風景・遊楽」 【PR写真3枚目】
川崎・砂子の里資料館蔵「吉原妓楼の図」葛飾北斎・文化8-10年頃(前期展示作品)
その他の作品は、公式ホームページ(
https://jcfcmuseum.jp/events/event/2022-19/)をチェック!
〈関連イベント〉
1.特別記念講演「日本が世界に誇る浮世絵と中国版画の繋がりに迫る!」
本講演は、中国版画と浮世絵の研究における第一人者を講師にお迎えし、知られざる日中版画の深い文化的繋がりに焦点を当てていきます。
2.京劇観賞会
今回ご紹介する清代木版年画に合わせて、同時代に誕生した、中国を代表する京劇をお届けします。本場中国に学び、現在は日本国内で活躍されている石山雄太さんをはじめ、子供役者の演技も見どころです。
3.阮咸と篳篥の秋コンサート
ギターのような柔らかい音色を持つ中国伝統楽器阮咸(げんかん)と、雅楽の演奏でよく使用される力強く印象的な篳篥(ひちりき)との珍しいコラボレーションをお届けします。日中アーティストによるジャンルの壁を超えたエキゾチックな楽曲をご堪能ください。
4.浮世絵デモンストレーション
江戸時代の技法を今に継承する公益財団法人アダチ伝統木版画技術保存財団による、浮世絵版画の実演となります。鮮やかな浮世絵がどのように摺り上がっていくのかを、解説を交えながらご覧いただきます。
5.浮世絵摺り体験
プロの職人の道具を使って本格的な浮世絵の多色摺りを体験しませんか?完成したハガキ大の浮世絵は記念にお持ち帰りいただけます。お子さまから大人までお楽しみいただけます。
関連イベントの日時や料金などの詳細は、公式ホームページ(
https://jcfcmuseum.jp/events/event/2022-19/)をご覧ください。