• 2016年5月20日17:56:36更新

【豆知識】打掛の模様の意味・由来 その3

花嫁をより華やかに そして美しく彩る衣装「打掛」
その打掛に描かれる模様は「吉祥文様(きっしょうもんよう)」と言われ、花嫁の幸せを願って描かれます。
そこで、このまとめでは代表的な吉祥文様の意味や由来をご紹介します。

亀甲(きっこう)

出典:http://www.kimonoism.net/blog/2016/03/22/220829

文様の意味:長寿吉兆

亀甲(きっこう)文様は、その名の通り亀の甲羅の形に由来する文様です。

亀は、日本では鶴とならんで長寿吉兆の象徴として非常に愛され、多くの場面で描かれてきました。
その歴史は古く、日本では正倉院宝物裂の中にその文様が描かれたり、西アジアでは紀元前のレリーフにも描かれるほど。

そもそも亀は、浦島太郎の話で龍宮城の使いや古い中国では仙人が住む不老長寿の地の使いとされ、めでたい動物とされてきました。また、ゾウガメなどは寿命が100年~200年と大変長寿なことから、鶴と並んで長寿の象徴となったのです。

糸巻文(いとまきもん)

出典:http://www.kimonoism.net/blog/2016/03/29/003929

文様の意味:長寿

糸巻きとは、その名のとおり糸を巻いておくための道具です。

楽器の弦を締めたり、凧揚げの紐や釣りの糸、そして蚕から紡ぎ出した糸や加工のため染付けた糸などをまとめ置く道具として、古くから色々な場面で使われてきました。

糸巻文様はまさにそれを文様化したもので、
この糸巻からながーく、ながーく糸が伸びていると、それは長い人生=長寿を表します。

打掛ではありませんが、桜花などをあしらった可憐な文様は、女児用のきものに描かれるなど、着物や帯でもよく描かれる人気の文様です。

物語文(ものがたりもん)

出典:http://www.kimonoism.net/blog/2016/03/29/231432

文様の意味:知性、教養

物語文は、平安時代に成立した日本の長編物語『源氏物語』や、同じく平安時代の初期に成立した歌物語『伊勢物語』などの、物語の一場面を再現した文様です。

古典文学を楽しむことが教養のひとつとされた江戸時代。
着ることで知性や教養、また題材となる物語の内容に準えた吉祥の意味があるとして愛され、その落ち着いた大人の雰囲気から打掛や礼服などに描かれてきました。

丸文(まるもん)

出典:http://www.kimonoism.net/blog/2016/03/31/230832

文様の意味:無限、良縁

丸(円)は、始点も終点もないことから、無限を表す縁起のいい文様として、多くの打掛に描かれてきました。

単に丸を描くだけではなく、その丸の中に、そのほかの吉祥文様を描き加えたり、花などを丸く文様化したり、動物を向かい合わせて丸く描いたりと、様々な吉祥文様と組み合わせることで、よりおめでたい意味や願いが込められます。

光琳波(こうりんなみ)

出典:http://www.kimonoism.net/blog/2016/04/04/223238

文様の意味:清らか、正義

この文様は、尾形光琳の「紅白梅図屏風」に描かれている波をモチーフにした文様です。

S字に屈曲し、渦巻模様に図案化された独特の水流文様は、とても柔らかく、終わりなく続く水の流れを表しています。

光琳波に限らず、水は古代より聖なる者として大切にされました。
聖水という存在があるように、信仰的には生霊・死霊を呼び出す道具としても使用され、その反対に呪いの道具として使われました。

流水は流れがあり腐らないことから、清らか・正義などの意味に使われ、また合わせ文様として使い勝手が大変良いなどのことから、紅葉・鳥・菊などと組み合わせた文様が打掛をはじめ、礼装用の着物や帯で人気があります。

出典:http://www.kimonoism.net/blog/2016/04/04/223238

万寿菊(まんじゅぎく)

出典:http://www.kimonoism.net/blog/2016/04/11/210424

文様の意味:長寿

万寿菊は、この画像のように、菊の花をお饅頭(まんじゅう)のような丸い形に表現した文様。
ころころと可愛らしいですよね。

菊の花を簡略化して描いたもので、家紋にも用いられるほど、ポピュラーな文様です。
寿命の長久を祝って「万寿」という字をあて、万寿菊といいますが、その丸い形が饅頭に似ているため「饅頭菊」と書いたり、江戸時代に琳派によって様式化されたことから、別名「光琳菊」とも呼ばれることも!

無限、良縁を表す丸を用いて、極力シンプルに菊を描いたこの文様は、無駄をそぎ落とした洗練された美があります。

紗綾形(さあやがた)

出典:http://www.kimonoism.net/blog/2016/04/12/130434

文様の意味:不断長久(不断:絶えず 長久:長く続く)=家の繁栄や長寿などの意

卍を斜めに崩して連続文様にしたのが、この「紗綾形(さあやがた)」。
桃山時代に中国の明から伝わった織物「紗綾」の地紋に使われていたことから、この名がついたと言われています。

モチーフになっている卍の起源はとても古く、その歴史は石器時代まで遡ります。
石器時代のインドでは、太陽が光を放つ様子を描いたとされ、ヒンドゥー教や仏教において吉祥文様とされています。※諸説あり

また西洋でも、幸運の印として知られ、キリスト教の十字の図案の一つでもあります。

そんな世界各地で、吉祥文様として意味をもつ卍がベースになっている「紗綾形」
さりげなく、地の柄として描かれていることが多いので、ぜひ細かく見て探してみてください。

花菱(はなびし)

出典:http://www.kimonoism.net/blog/2016/04/16/000338

文様の意味:高貴

花菱(はなびし)は、菱形の中に花びらを4枚描いた文様です。

甲斐武田家をはじめ、多くの日本企業や松本幸四郎さん、市川染五郎さんの家紋としても使われています。
平安時代から、有職文様の一つとして一部の人たちしか 使うことを許されなかったことから、高貴、上品などの意味を持っています。

藤(ふじ)

出典:http://www.kimonoism.net/blog/2016/04/18/170049

文様の意味:豊作、子孫繁栄

古くから日本に自生する藤の花。
北海道を除く日本の全地域に広く分布していて、藤つるの皮から繊維をとり、紐や綱として使われてきた歴史があります。

古事記にも、男神が愛しい女神へ藤の花を送り、女神のハートを射止めたという話があり、古くからその華奢で慎ましやかな美しさが愛されてきました。

そんな藤の花は、華麗な房状の花が稲穂に似ていることから、豊作を願う花として珍重されたと言われ、しだれ藤のさまから子孫繁栄の意味があります。

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